熟睡できる寝室

プロパティマネジメント

1.自然光を取り込めるように寝室を配置

寝室は北東が理想、東から朝日を取り込む

ダイエットの味方となるコルチゾールや細胞を生まれ変わらせてくれる成長ホルモンを制御しているのが体内時計。

体内時計は、機械のように24時間正しく刻んでいるわけではなく、毎日少しずつズレが生じる。

このズレをリセットする方法が朝日を浴びること。

朝日によって体内時計のズレが修復されれば、各種のホルモンが正しい時間に分泌されやすくなるだけでなく、寝入りの時間も修正されるので、寝付きが良くなって毎日快適に眠れるようになる。

これを家づくりに活かすには、朝日が差し込む窓を配置できる東や北東の位置に寝室を設けるといい。

もし東向きの窓が難しければ、朝日が入るように天井にトップライトを設ける方法もある。

東に窓を設置して、太陽が昇るのに合わせて寝室に日が差し込むようにすると自然と目覚めることができる。

 

2.徐々に眠くなるよう照明を工夫する

三段階に調光できる暖色系の照明で入眠

寝る前に日中と同じ光を浴びると身体が覚醒してしまい、寝付けなくなる。

そのため寝入りに適しているのは覚醒作用の低い暖色系の照明。

明るい昼白色よりも電球色が良く、色温度は夕日が沈む色と同じ3300ケルビンが理想で、直接光を浴びない間接照明を使うといい。

※色温度とは光の色を表す尺度で、ケルビンはその単位。数字が低いほど暖色系、高いほど寒色系の色を発する。

照明をいきなり消して寝室を真っ暗にするのではなく、徐々に照度を下げていくと身体が自然に眠る準備をしやすくなる。

三段階くらいに照度を下げられるようにタイマーと町高機能を備えた照明を使うのがオススメ。

スマートフォンやパソコンの光は睡眠を妨げるので、21時以降の使用は控えたい。

日中の照明

日中は白系の明るい照明で部屋を照らせるので、掃除など日常生活がスムーズに行える。

就寝1~2時間前

ベッドに出入できる程度の明るさにする。

タイマー機能を使えば就寝に合わせて徐々に暗くできる。

就寝直前

身近なものがほとんど見えなくなるほど暗くする。

夜のトイレは、フットライト(足元灯)を使う

夜、トイレに行く際に明るい光を浴びると身体が覚醒しやすくなるため、トイレへの道筋がぼんやりわかって用を足せる程度の暗い照明を使うようにする。

3.室内の温度は27~29℃に保つ

寝具内を理想の33℃にするには室温を27~29℃(冬は17~18℃)に保つといい。

ただし室内の断熱性が低いと寝入りは適温でも、冬の朝は寒くて布団から出たくなくなったり、急激な温度差で身体に負担をかける。

そのため断熱性を高めることが重要だ。

家に断熱材を入れることはもちろんだが、実は室内の熱の約50%は窓から逃げている。

そのため窓の断熱性を高めることが効果的だ。

窓に複層Low-Eガラスを使うと、金属膜と空気層によって室内の熱が室内へ逃げることを防いでくれる。

あるいは複層Low-Eガラスを使った内窓を備える方法もある。

サッシはアルミ製より樹脂製のほうが断熱性能は高いが、その分、高価になってしまう。

内側だけ樹脂製の窓もあり、そちらのほうが安価。

img_a002030006_03

 

室内の温度を保つ窓の工夫

冬は室内の暖かい熱を逃がさず、夏は太陽熱を適度に遮断する特殊金属膜を備えている。

4.快眠のためには湿度50~60%に

湿度コントロールできる自然素材を壁・床に

日本の夏は高温多湿で、冬は気温が低くて乾燥しやすい。

湿気は睡眠に影響するため湿度対策も快眠には重要だ。

壁には年間を通じて一定の湿度になるよう調湿効果のある杉やカラマツ、ヒノキなどの針葉樹のむく材を使うのもオススメ。

針葉樹のむく材から出る木の香り(フィトンチッド)は癒しや安らぎを与える効果があるといわれており、森林浴でも注目されている成分で寝室にはピッタリの素材といえる。

デメリットとして傷がつきやすいこと。

5.風通しを良くしてカラッと快適に

室内2ヶ所の開口部で空気の流れを作る

温度に関係する風通しも快眠のために重視した要素の1つ。

熱は部屋の上部に冷たい空気は下部にたまりやすいが、窓を寝室の対角線上に設けると風の通り道ができて温度の村を解消できる。

窓を2ヶ所設けることが難しければ、窓を1つと通風口のあるドアを備える方法もある。

どうしても二方向に開口部を設けられない場合は、1つの壁の上下にそれぞれ通風口を設けるだけでも空気が自然循環してくれる。

断熱性の高い寝室なら夏はエアコンをあまり使わなくても、自然の風通しだけで涼しく過ごすことができる。

室内の熱や冷気を逃がさず、一定の温度を保ったまま空気の入れ替えができる換気システムもあるので、それを使用する方法もある。

kuuki1

6.窓の工夫で図書館並みの音環境を実現

悪条件下でも窓対策で静かな環境を整える

静かな環境も睡眠の質を高めるためには必要だ。

個人差はあるが、音のレベルは図書館並みの40デシベル以下を目安にするといい。

もし近くに幹線道路があるなど、騒音の多い場所に家を建てる場合は、立地環境に合わせて防音シートを用いた壁を使うなど遮音性を高める工夫が必要だ。

壁だけでなく窓も外の音を室内に伝えやすい部分だ。

防音ガラスを利用する方法もあるが、たとえば窓の内側にもう1つ内窓を備えると窓と窓の間の空気層によって屋外の音を遮断することができる。

sound01_03

上記の場合、交通量の多い道路並みの80デシベルを40デシベルまで低減し、かつ断熱性も高められる。

そのほか防音性能のある厚手の生地を使った遮音カーテンや防音シャッターを備える方法もある。

7.安眠の秘訣は北枕

北枕は死んだ人がするものと言われて忌み嫌われることがありますが、この理由は安眠できるからです。

北枕だと短時間でも安眠できるといわれています。

その理由は、地球の磁場と関係があります。

磁場とは、科学的に照明されている地球の北(N極)から南(S極)に流れているエネルギーのことをいいます。

 

06-2-2L

 

この流れを地磁気(ちじき)ともいい、これが人間の身体にも影響を及ぼしていると考えられています。

このエネルギーの流れを利用して頭を北にし、足を南に向けると身体に流れる気がスムーズになるといわれています。

昔からある「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉は、頭は冷たい北を向け、足は南の暖かい方向に向けると地磁気の流れと一致して血行が良くなるという意味もあると考えられます。

ですから、逆に枕を南に置くと頭を下げて血を逆流させて寝ている状態になるため眠りが浅くなります。

そのため、熟睡できず夢ばかり見ながら寝ることになってしまう。

そして、あまり身体が休まらず、充分な睡眠時間を確保したはずなのに疲れが取れないことになるのでオススメできません。

部屋がどの方位にあったとしても、北枕であれば熟睡ができますが、部屋の入り口付近では落ち着かないので、入り口から、なるべく奥の位置で寝るようにしましょう。